もう少しだけ書きます。
「コンビニ人間」の中で、主人公が他人の喋り方や趣味趣向を真似ることによって安定した“仮の自分”を作っていく描写があります。
この主人公は意図的にそれをやっています。

他人の喋り方などがうつったりすることはよくあること(心理学という学問的には、好意がある人の言葉はよくうつるそうです)だし、方言の伝承とかもこの“うつる”作用によって行われてきたのだと思います。一概には悪いことではないし、むしろいい面もあるように思います。

わたし自身も他人の影響を受けやすいので、よくうつっていました。高校くらいのときに友人の喋り方がうつっていて、母親に「気持ち悪い喋り方をするな!」と叱られた(その友人には失礼ですが)ことを覚えています。
そのくらいは全然いいんですが、アカンなぁと思ったのは20代の半ばの私のこと。
今思えば、この頃のわたしは“自分の言葉”をすこし見失っていたのかもしれません。

某レンタルショップでアルバイトをしていたその頃、音楽に詳しい先輩がいて、無知だった私に様々なことを教えてくれた。このことは今の自分の土台になっていると思うし、ものすごく感謝しています。
いけかったのは、わたしの受け止め方だったなぁと思います。彼に教わったことを自分が元々持っていたものかのように勘違いしていたというか、あたかもそれが“自分の言葉”であるかのように振舞っていた気がします。
彼が“いい”といったものはよくて、彼が否定するものは自分も否定したり、それは無意識のうちにやってしまっていたことでした。
そういう人間は“自分の言葉”を無くしてしまいます。
彼がバイトを辞め、わたしも辞め、しばらくすると、音楽や物事に対する捉え方やスタンスに迷いが生じていることに気付きました。彼に依存し、自分で考える力が弱くなっていたんだと思いました。

「音楽を聞くことと、本を読むことは一生やめられへんやろなぁ」と彼は言っていた。

本当の意味で同感だなと今は思う。
2017.04.18 / Top↑
4/16(日)
パラダイス8周年月間。まつしまようこ嬢の企画に呼んでいただき、久しぶりにライブハウスで演奏させてもらった。

DICEの時からお世話になっているので、出始めてもう10年くらいになるのか。ありがたいです。

【SET LIST】
1.公園の唄
2.風の唄
3.コードチェンジの唄
4.さいごの朝
5.春の唄
6.夏のぬけがら
7.泡沫の日々(新曲)
8.アトリエの少年
9.タイプライター
10.暮らしの唄

ベロニカの音で気持ちよくなって、ビールがすすみました。まつしまもバンドで生き生きしてました。ソロが生き生きしてないわけじゃなくて、ソロとバンドは持ち味が違う感じだろうか。ソロのときの曲をバンドではあまりやってない気がしたけど、やってみたら面白そうだなとか思いながら見ていた。

久々のライブハウスでのライブは、とても楽しかった。ハコの中で音にまみれるのは気持ちがいいなぁとあらためて。また出演の機会があれば出たい。出れるように続けていこうと思います。
同年代のミュージシャンたちがそれぞれのペースながら音楽を続けていることはとても励みになるし、嬉しいことだし、刺激もされる。
月並な言葉ばかり並べてしまいましたが、今回ほんとに出演できてよかったと思いました。
まつしまには感謝です。ありがとう。
アホみたいに呑みすぎて、帰り道のことあんまり覚えてませんが、藤原店長が家に送り届けてくれたみたいです。申し訳なかったです。すいません。
私「ラーメン食いにいきましょう」
店長「その状態やったら無理やから、やめとこう」
というやりとりを30回くらいしてたそうです。
(後日メール談)

パラダイス8周年おめでとうございます!
2017.04.18 / Top↑
話題の一冊(といっても少し前ですが)を読みました。
スルスルっと、たぶん2〜3時間くらいで読めてしまった。おもしろくて読みやすい作品でした。

主人公は36歳の未婚女性。大学時代から18年間コンビニでアルバイトをしている。就職は一度もしておらず、恋愛経験もない。
幼少の頃から“変わった子”として扱われていた彼女は“普通”って何だろうと俯瞰しながら生きている。
彼女の日常はコンビニとともにある。コンビニとの関わりで彼女の“普通”は保たれていた。
しかし、ひょんなことから次第にそれが乱されていくこととなる。

36歳という年齢は、折しも自分と同年代くらいの設定だ。就職氷河期真っ只中に身を置き、“失われた世代”なんて呼ばれたりもする。
資本主義は末期症状。今は時代の転換期のような気もする。その中で翻弄されて生きづらさを感じる人たち。同年代の人なら何かしら響く内容かなぁ。いや、現代を生きている人なら感ずるものがあるかと思います。

“普通”を“普通たらしめているもの”は何なのか。
大型商業施設やコンビニはある意味狂ってる気がする。
身近な問題を考えるきっかけになるかもしれません。
2017.04.15 / Top↑
世界史と日本史の権威と呼ばれている2人の対談本みたいなものを少し前に読んだ。内容はとてもおもしろく、日露戦争などに対する認識が少し変わったりとか、得るものがありました。
で、この2人はやたらと難しい四字熟語を使うのです。小説などを読んでいると、時と場合によりますが、割と読めない漢字や意味の知らない言葉が出てきてもスルーして読む派なのです(読んでいくうちに意味を捉えることができるケースが多いため)が、この本の場合、言葉を知りたい欲求が勝った為、調べながら読みました。

自分が知らないだけでポピュラーなものかもしれませんが、いくつか印象に残っているものを書き出しますと・・

玉石混淆(ぎょくせきこんこう)
価値のあるものとないものが混じりあっている様

換骨奪胎(かんこつだったい)
先人の作ったものから着想を得て新たな創作をすること。悪くいえばパクリ、良くいうならオマージュ。

乾坤一擲(けんこんいってき)
一か八かの勝負

かっこいいですね。“玉石混淆”がこの中では一番好きです。覚えたら使いたくなる。
不思議なもので言葉を一度覚えてしまうと、今まで気付かなかったところで発見したりします。よくあることかもしれませんが。
「じゃじゃ馬グルーミンUP」という漫画が好きなんですが、こないだふと読み返すとサラっと“玉石混淆”が使われていたり。
漫画家や作家の人たちは言葉のことをすごく考えて書いているのだろうなと思う。好きな表現や言葉を後世に残したいという思いかもしれない。
「ハイキュー!」も高校時代バレー部だったこともあり、好きで単行本を集めているのですが、この作者も意図的に中高生が使わなさそうな言葉を入れている気がします。“邂逅”とか、“質実剛健”とか。

それにしても、この“玉石混淆”は言い得て妙だなと思います。自身が身を置いている音楽の現場のことを考えました。若いころは玉石混淆です。続けているとそれを感じます。自分は石ですが、石は石なりに転がりながらやっている。河原で見かけたら「あぁ綺麗だね、あの石」とか言ってもらえたら嬉しいかもしれない。
2017.04.14 / Top↑
先日、映画を見に行ってきました。
うちの奥さんが公開間もない頃に見に行きたいと言って、ひとりで先に見に行きまして「とても良い映画だったから、絶対見た方がいいよ」と言われていたので、そのうちそのうちと思ううちに日が経ってしまいましたが、やっと行きました。

原作は漫画で、映画を見る前に単行本で読んでしまっていたので、あらすじは大体わかっていたのですが、映画は映画で当然よかった。
主人公すずの声がとてもハマっていたと思う。
コトリンゴさんの音楽も素晴らしかった。

作者のこうのさんは、とても綿密な取材をしてこの作品を作られている。
膨大な資料を参考にし、実際に呉や広島に当時住んでいた人へできる限り取材をしたと、いつかの新聞記事で読んだ。

戦争の陰の部分はもちろんあるが、当時の生活にあった笑いやユーモア、普通のことが誇張なく描かれている作品だと思った。憲兵さんの件りとか。

戦時中を描いた映画作品で、こういう切り口のものはあまり今までなかったと思う。
悲しいシーンもあるけど、見終わった後には切なくもあたたかい気持ちになりました。

わたしの拙すぎる感想では伝わるはずもないので、見ていない人は是非一度見てほしいなと思います。
このブログがきっかけになれば幸いです。
2017.04.13 / Top↑